朝9時、電車に乗って旅に出た。
意外と新大阪まで時間がかかるものである。弁当を買いこんで新幹線にのったのは10時半頃だった。
のぞみはほとんど駅に止まらないから速い。どおりでYAHOOの路線案内の最短時間でのぞみしかでてこないわけだ。でもまあ目的地に着くのが12時過ぎなんだから便利な世の中である。
親と二人往復約6万を払って行く先はよこすか芸術劇場、宝塚月組公演「サラン愛・ジャズマニア」である。
自分でもなんでこんな暴挙に出たかわからなかった。きっと金が私を狂わしたんだ。親父ごめんよ。私は無駄遣いだ、いけないと思いながらも、チケットが余っていると聞いた途端に電話してたよ。それほどまで会いたかったんだ。許してくれ。
せっかく高い新幹線代を払って行くのだからと、横浜観光をすることにした。が、るるぶもまっぷるも見てないのでどこに何があるかさっぱりだった。W杯のおかげであちこちに案内があるので地図をもらって喫茶店でいろいろ相談してみた。
余談だがそのとき飲んだ、アイスチョコ・ミルクティーがとてつもなくおいしかった。飲んだことはあるだろうか、ミルクティーの上に生クリームをのせチョコを落としてあるんだが、このチョコが砂糖の代わりをして、そしてミスマッチしてるようで不思議においしいのだ。見かけたら試されたい。
それはさておき相談の末、マリンタワーを見に行くことにした。時間がないのでそれもタクシーで。さらに無駄遣いを許してくれ。
タクシーからキングとジャックを見た。またまた話がずれるが「SAINT」という漫画をご存知だろうか。これは横浜が舞台で、建物などがよく紹介されていたので、一度見てみたいと思っていた。クイーンは場所の都合上見れなかったのが残念だ。
マリンタワーから山下公園とフェリス女学院を見た。晴れていたならもっと素晴らしい眺望であっただろう。
時間の都合上帰りもタクシー。なんて贅沢だろうか。そのタクシーの運転手のおばちゃんに、サッカーを見にきたと勘違いされた。どうやら昨日は前夜祭があったらしい。きっと明日はもっとすごい人になるのだろう。警戒態勢でタクシーは新横浜周辺には行けない(行きにくい)らしい。でもきっとこのおばちゃん、私たちが日帰りだなんて考えてなかったろう。
おばちゃんに京急の駅まで親切に教えてもらって、電車に飛び乗る。けっこうぎりぎりな時間であった。快特に乗ったが、汐入という駅は普通しか止まらない。指示どおり金沢文庫で乗り換えるか、汐入の次の横須賀中央まで行って引き返すか悩んだ末、後者を選んでみた。だがやはり前者のほうが早かった。YAHOOの路線案内を馬鹿にしてはいけなかった。
なにはともあれ、無事30分前につき、チケットも引き換え(引き換え場所がわからず歩き回ったが)見た。
よこすか芸術劇場の客席は5階まである。私たちは4階だった。この際席のことは文句言えない、取れただけマシである(空席もあったけど)とにかくオペラグラスがないと(むしろ双眼鏡で)顔の判別はできない。
だが、いいんだ。君の声が聞こえただけでハッピーな気分になれるから。
芝居の感動やこの気持ちは簡単に伝えられるものではないから、適当に端折ろう(だって観劇日記ばかりでつまらないと言う方もいるし)
「サラン愛」は李氏朝鮮のお話で民族衣装が艶やかであった。だが主要人物のほとんどが死んでしまう悲劇である。侵略者によって戦いに赴く主人公、だが捕まってしまい、臣下になると見せかけ同じ捕虜たちと反逆を起こす。恋人は彼に会いたくてその地をめざして旅をする。侵略者の一部は倒したものの最後は追いつめられ殺される。だがその前に一瞬だけやってきた恋人と再会するのだ。そして二人して死んでいく。二人が息絶えると愛の証だった無窮花(むくげ)がぽとっと木から落ち、雪が降り、静かに幕が閉じる。なんだかとてもロマンチックだった。
ショーの「ジャズマニア」はこれで4度目だ。もはや初演バージョンと比べると主題化が一緒って言うだけの別物と化しているような気がしなくもないが、それだけアレンジがきくというのはジャズが奥深いものだからだろうか。個人的感情を入れると今回のが一番好きである。とにかくみんなの笑顔が素敵だった。
終わったのは7時過ぎ。新幹線の時間があるので余韻に浸る暇もなく電車に飛び乗ったが、新幹線の中ではしばらく公演の感想を語り合った。後ろの席が酔っ払いでビールをこぼしたり、いびきかいて寝たりするので、落ち着かなかったが。最後に無駄遣いのつけがきたというところか。
家に帰ったのは12時前。とりあえず今日中に帰って来れてよかった。少しばかりハードなスケジュールでスリリングなこともあったが、楽しい旅であった。
親は「今度は泊りがけで行きたい」と言ったので今度がまたあるかもしれない・・・

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